「魂」は、これでいいのだ!

「魂」の基本コンセプトは「わかりやすい」。裏を返せば、無印メダは「わかりにくい」アニメだったということ。実際見ていて「これ子供にゃ分からんだろう」というネタが結構多くて、時にはノリの為ならターゲット視聴者置いてきぼり。(そんな所が好きだったんだけどね)

しかし、やはりメダロットは子供のもの。新シリーズである「魂」ではこの原点を改めて確認し、本来の視聴者層へと再フォーカスした!

・複雑な性格の描写や微妙な感情の起伏といった「わかりにくい」要素を排除した類型的キャラクター造形同じセリフ・行動を反復させる事によるイメージの固定。イッキが毎回デスメダロッターに対し「卑怯だぞ!」と叫んで、一向に学習しないように見えるのもこのため。

・「敢えて語らない」「言外に意味を含ませる」といった抑えた表現を好むのは高年齢層だけである。読解力の劣る低年齢層にも「わかる」ように、全てをセリフで説明する。また、ストーリー自体も全てセリフで説明できるような簡易なものが望ましい。

・わかりやすい「敵」の設定。無印のような「敵対してはいるんだけど、実は誰も悪人じゃない」といった複雑な設定子供には難しすぎる。子供は理屈で善悪を判断しているわけでは無いので、細かい設定の合理性よりも、印象として「悪い奴」である事が重要。

・凝ったアングルや凄い動きよりも、何が起こっているか「わかりやすい」平板なレイアウトを多用する。誰と誰が話しているのか、何と何が戦っているのか、一目で「わかる」ためには真横からの2ショットが最適である。わかりやすさの為なら多少カット間のつながりがわかりにくくてもやむを得ない。(背景を含めて沢山のモノを描かなければならない真横アングルの引いたカットはそれなりに労力をかけないと出来ないので、よく言われるような手抜きでは決してない。アップや凝ったアングルの方が誤魔化しが効くぶん楽だとも言える。)

・原作、ゲームの設定であっても「わかりにくい」ものは排除する。ソーラーシステム、オートマチックジェネレーター、スラフシステムといった設定は子供には「わかりにくい」。一方、「電池が切れると動かなくなる」というのは、子供が日常的に玩具を通して経験している事なので非常に「わかりやすい」。

以上のように「魂」における様々な改変は全て「わかりやすくする」ための意図的なものであると考えて良い。(噂の演出マニュアルの存在が事実ならまず間違いなく)決してスタッフの力不足ではないセンスが無いのではなく、敢えてセンスを発揮しないのである。なぜなら、「センス」などという微妙な物は子供には理解できないから。

これらの事を念頭に置いて「魂」を視聴すれば、日頃抱いている不満の50%は的外れな憤りであるということが理解できると思う。

さらに個別の問題点(とされている部分)については以下を参考にして欲しい。


FAQコーナー

Q:コウジやカリンはどうして出ないの?

A:主人公側のキャラクターが多すぎて子供に「わかりにくい」ので整理されました。新しい敵が登場するのでライバルとしてのコウジの存在理由はありません。また、カリンは設定・性格がマニアックすぎて子供が共感しにくいと考えられます。ヒロインとしてアリカと対比させる場合にも、同年齢のカリンより「年上」のナエを出した方が違いが「わかりやすい」ということもあります。

Q:どうしてロボトルに迫力が無いの?

A:子供の玩具であるメダロットが石灯籠を切り裂いたりコンクリートを撃ち抜いたりできる方がそもそも間違っているのです。本来あるべき描写に戻した、と考えて下さい。

また、パーツが破壊されるといった暴力的な描写は暴力として描かなければ教育的に良くないので、遊びであるロボトルには相応しくないと思われます。よって通常のロボトルでパーツが破壊される事はありません。デスメダロットとの戦いでも、特に主人公側が相手のパーツを破壊するといったシーンは出さないようにしています。敵側に関しては、その非道さを演出するために破壊的な行為を行うことがありますが、残虐にならないよう極力表現を抑えます。

以上の配慮から画面的に迫力不足になる事があるかもしれませんが、教育的見地からはやむを得ません。足りない分はセリフで補強します。絵として凄くなくても「凄い」と登場キャラクターが言えば作品中ではそれは「凄い」という事になるのです。なにしろ「凄い」とハッキリ言っているわけですから、これ以上「分かりやすい」表現はありません。

Q:ギャグがつまらないんですけど?

A:「魂」のギャグは面白いかどうかよりも「わかりやすいかどうか」を主眼に挿入されています。知識豊富な高年齢視聴者から見るとありきたりで退屈に見えても、初めてそれに触れる低年齢層には十分「面白い」はずです。むしろ、高度なギャグでは分からなくて不快な思いさせてしまう可能性があります。

以下、質問は随時募集中。


要するに「魂」は失敗作ではなく、全てスタッフの意図通りに作られている、という事なのである。よって、今後路線変更して無印テイストになる可能性は非常に低いと(私は)見ている。

対象ターゲット層から外された高年齢視聴者が取るべき行動は次の2つしか無い。

忘れるか、現状を楽しむか。

どうせなら現状を楽しむ方向へ行くべきだという事で、当サイトは今後しばらく試験的に「魂」を肯定してみようと思う次第。ちなみに「文句を言うために見る」のは現状を楽しむの変則的な一面だとか言ってみたり。

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